昔見た夢の話をしよう。
本当に昔、小学三年生くらいの頃に見た夢なのに、今でもかなり鮮明に覚えている。
ただ、前情報がないと意味が分からなすぎる夢なので、少しだけ説明させてほしい。
当時の私は『こびとづかん』(※1)が大好きだった。絵本もおもちゃも、常に手元に置いておきたいほどで、そして何より、コビトの存在を本気で信じていた。
※1
「こびとづかん」は2006年に初めて出版された、なばたとしたかの絵本とその書籍シリーズ。
1冊目の絵本の中で主人公の「ぼく」が見つけたのが、昆虫でも植物でもない不思議な生き物「コビト」です。
「コビト」は昆虫でも植物でもない不思議な生き物。突然冷蔵庫のモーターが鳴ったり、テレビがピシッと音がしたり、トイレットペーパーの角が三角に折られていたり…。 正体不明の不思議な出来事、それがもし「コビト」と呼ばれる生き物の仕業だとしたら。
こびとづかん公式サイト、「こびとづかん」とは?より引用
そんな頃、家の近くに少し変わった形の家があった。屋根がきのこの傘のような見た目をしている家だ(ちなみにその家は今もある)。
当時の私は、何の根拠もなく、そこはコビトを研究している施設なのだと確信していた。
そして、私はこんな夢を見た。
きのこの傘の屋根をしたその家に招かれ、中へ入るところから夢は始まる。
中は静まり返っていて、家主の姿はどこにも見当たらない。
私は好奇心に身を任せ、家の奥へと足を進めた。
すると、水族館のようなガラス張りの展示スペースが、左右にびっしりと並んでいた。
その中にはコビトたちが生息しており、種類ごとに展示方法や飼育環境が異なっている。
その光景を目にした瞬間、天命を受けたかのような衝撃が脳を走った。
私は、各コビトの飼育方法や捕まえ方、そのすべてを理解していた。
そして直感的に思う――この家と、コビトの飼育・育成を任されたのは自分なのだと。
私は、まだまだ続く展示スペースを眺めながら、さらに奥へと進んでいった。
やがて辿り着いたのは、全体がエメラルドグリーンの宝石のように輝く洞窟だった。
青く澄んだ光が差し込み、静かで、神秘的な空間が広がっている。
そこで、目が覚めた。
私は今でも、あの夢のことをはっきりと、細部まで覚えている。
あの家の間取りや雰囲気、窓から差し込む光の中で、埃がきらきらと浮かんで見えたあの感じまで、驚くほど鮮明だ。
そして何より異質なのが、最後に現れたエメラルドグリーンの宝石のように輝く洞窟の存在だ。
上で書いた夢の流れの中でも、前触れは一切なく、突然そこに辿り着き、そして唐突に夢は終わった。
一見すると意味の分からない光景だ。
けれど、言葉にはできない何か――脈絡のないはずなのに、確かにつながっているような感覚が、今でも心のどこかに残っている。
その洞窟は、水が流れ、光が反射し、万華鏡のようにさまざまな色に輝いていた。
夢の中の一場面でありながら、なぜかそこが一番強く印象に残っている。
そして不思議なことに、あの洞窟には「家」のような安心感があった。
夢の中で本当にそう感じていたのかは分からない。けれど今、思い返すと、確かに落ち着くような、守られているような感覚が、あの場所にはあった気がする。
あの夢はいったい何だったのだろうか。
今でも私は、あのエメラルドグリーンの宝石のように輝く洞窟を探し続けている気がする。
ちなみに、これまで生きてきた中で「あれに近い」と感じたものは二つある。
一つは、ペットショップの中でも熱帯魚を扱っているエリア。
もう一つは、パスタソースの「青の洞窟」のパッケージだ。



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